当サイトは、個人事業を考えておられる方へ向けて、個人事業を始める人は知っておくべき、帳簿の付け方、確定申告など、個人事業をするうえで必要なことについてわかりやすく解説しています。
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個人事業主とは?
個人事業主の定義は、3つの条件である独立・継続・反復を満たし、個人で事業を行う人をいいます。
- 個人事業主に該当する方
- お店を開業したい。フリーランスで活動したい。フランチャイズ起業をしたい。
サラリーマンで継続的に副業をしていたり、兼業農家を営んでいる会社勤めのサラリーマン、週末起業など継続・反復的な事業所得を得ている方も対象となります。
- 個人事業主に該当しない方
- 独立していないアルバイト、1度きりの副業などで収入があった方は対象外となります。
ちゃんと、個人事業主として3つの条件を満たせそうですか?
個人事業主の税金と社会保険などについて
個人事業主の条件を満たし、専業1本で生計を立てていく方は、さまざまな書籍でも紹介していように確定申告し納税する義務、国民社会保険・国民年金への切替となります。
会社に勤めながら個人事業主となる方へ
副業・兼業・週末起業など会社に勤めながら個人事業主となる方は少し違う点があるので、不安を解消するためにご紹介しておきますね。
納税
個人事業主になった時点で、確定申告し納税する必要があります。
社会保険
会社の運営形態にもよりますが、法人会社に勤めていると社会保険・厚生年金への強制加入が義務付けられています。
ただし、社員のまま個人事業主として活動する場合は、変更する必要はありません。
失業保険
通常、会社を辞めると失業保険を受け取ることができますが、開業届を出していると事業を既に行っているとみなされます。
”本人に再就職する意思はない”とされ、失業保険を受け取ることは難しくなります。
納税通知先
確定申告をすると納税通知先をチェックする欄があります。
その指定先へ納税すべき金額が記載された「特別徴収税額通知書」が送られてきます。
会社に郵送されては困る方は、納税義務者である申請者に通知するを選ぶようにして下さい。
個人事業主と法人の違いについて
個人事業主は、独立後1,000万円以下の売上規模の事業を営んでいきたいと考えている人にとっては、コストも少なくて済むのでよいとされています。
ただ、株式会社も資本金1円以上から設立できることもあって、いきなり「会社を立ち上げたい」という方もいるかもしれません。
今すぐサラリーマンを辞めて好きなことで生計を立てていきたい。
貯金はたくさんあるから、社会的にもカッコいい法人から始めたいと思っているのでしょうか。
しかし、ビジネスはそんな甘いものではありませんよね。
それを知っていて、ゼロから事業を始めるので、事業で「売上」がしっかり立って、今後も成長すると確信するまでのステップとして、個人事業主も検討されている方もいるかもしれません。
・・・というわけで、個人事業主と法人とのメリットとデメリットも押さえておいてください。
既に検討済みで、個人事業主に関する手続き方法を探している方は、こちらからお読みください。
個人事業主のメリット・デメリット
なにより個人事業主を選ぶメリットはフットワークがとても軽いということです。
基本的には税務署や都道府県税事務所に開業届を提出するだけで開業できます。
それぞれの場所に取りに行っても良いですが、国税庁や都道府県のホームページでもダウンロードが可能です。もちろん業種によってはそれ以外の手続きも必要ですが、開業届だけで済むケースが多いです。
事業の規模にもよりますが、2月の中旬から始まる確定申告も簡単に行えることが多いでしょう。
市販のソフトを用いれば、多くの場合は簿記の専門知識がなくても大丈夫です。
会社の就業規則にもよりますが、サラリーマンが副業として手軽に開業するケースも見られます。
サラリーマンにおすすめな副業
また、家事の合間に仕事をしようとして、主婦が個人事業主になるケースも増えています。主婦にとっては、パートと同様に保育園に子どもを預けられる可能性があることもメリットです。
また事業をしていても、他のジャンルの仕事を始めたりアルバイトもしたりできます。
従業員を雇うような規模で事業をしていると難しいですが、自分だけであればそのような選択も可能です。このように制約が少ない状態で柔軟に仕事を行えることが大きなメリットといえます。
そのため自宅で仕事をする人も少なくありません。会社に通う必要がないので、通勤のストレスや時間を心配する必要がないです。
プライベートと仕事を自分で区切って管理しなければなりませんが、それが可能であれば快適なライフスタイルを確立できるでしょう。
自宅で仕事をする場合は、水道光熱費や通信費などを家事按分によって経費に計上できます。同様に、家賃や固定資産税なども計上できる場合があります。このように経費をうまく集めていき、確定申告に備えて節税を狙うのが一般的です。帳簿の作成では複式簿記が必要になりますが、青色申告を行うことによって控除も受けられます。
以上のように税制面での対策の手段はあるのですが、その効果が高くないことがデメリットです。たとえば青色申告をすれば赤字を繰り越せますが、3年までという制約があります。
個人事業主はあくまでも個人であるため、社会的な信用を得にくいケースが珍しくありません。
取引したい相手がいても断られたり、顧客が店舗を選ぶ際の候補から外れてしまうことがあるのです。金融機関で多額の融資を受けたい場合も、なかなか信用を得られない可能性があります。
事業規模を拡大していこうと考えている場合は、デメリットの大きさを実感することになるでしょう。
法人のメリット・デメリット
ここで挙げた個人事業主のデメリットは、すべて法人のメリットに言い換えられます。
たとえば税金に関しても、両者には大きな違いが存在します。所得税ではなく法人税を納めることになるのですが、こちらの方が累進性が高くありません。所得税は収入から経費を除いた所得に課税されるものです。
しかし法人であれば、部分的に社長などの報酬とした金額に対して課税されるだけで済みます。それ以外の金額に対しては法人税の課税が適用されるというわけです。これにより支払う税金を大きく抑えられる効果を期待できます。
その他にも、経費にできるものが多いことも重要なポイントです。保険の支払いなども経費にできるので、いろいろリストアップしていくと大きな節税につながります。
さらに、社会的な信用を得やすいことも大きなメリットといえるでしょう。取引相手の開拓も、個人で行うよりずいぶん簡単に感じられます。
いくら自社の規模が小さくても、個人を相手にしない企業に話を聞いてもらえるチャンスを得られます。金融機関からの融資も受けやすいですし、株券を発行することで資金の確保も行いやすくなります。
大規模な事業展開を見据えているなら、資金面で有利に事を運べることが多いです。社会的な信用という意味では、プライベートにも良い影響を及ぼします。多くの場合は、クレジットカードやローンの申し込みを断られずに済むでしょう。
逆に個人事業主と違って、複雑な作業を多くなることが大きなデメリットです。
たとえば登記するときは、定款を作って認証を終えることが求められます。お金の流れも単純ではなくなるので、決算の作業も簡単ではありません。
複式簿記が必須になりますし、税理士に依頼しないと片付かないケースがほとんどです。株式会社の場合は、役員を期間ごとに改選するような事務手続きもしなければなりません。
このように本業以外に割り当てるリソースが増えることに注意することが大切です。
こういったデメリットもあるので、規模が小さいうちは無理に法人化しない方が得策といえます。
個人事業主・法人の比較表
個人事業主 | 株式会社 | |
---|---|---|
設立手続き | 手軽 | 面倒 |
資本金 | 不要 | 1円以上 |
設立費用 | 不要 | 約25万円(手続きに必要) |
事業内容の追加・変更 | 自由 | 定款の変更が必要 |
廃業 | いつでもやめられる | 一定の手続きが必要 |
決算報告 | なし | 株主等に報告 |
青色申告特別控除 | 記帳方法に応じて10万円、65万円の控除が適用できる | なし |
赤字繰越 | 3年間 | 9年間 |
社会的信用 | 低い | 高い |
実際のところ、事業が軌道に乗ってから、法人化の検討を始めるのが一般的です。
仕事をすれば給料がもらえるサラリーマン時代とは違い、たとえ思い入れのある仕事だとしても法人化するほどの利益をあげられるかどうかは行動してみないとわかりません。
そもそも、”お客様からみると、法人だから個人だからで仕事への期待感は変わらない”です。
あなたの事業実績を積んで、金銭的に法人成りするメリットが充分に大きくなってから、税理士・商工会議所の経営指導員など専門知識のある人に相談しても遅くはないのではないでしょうか?