毎年確定申告の時期が近づくと、私自身もそうでしたが、非常に多くの人が申告のために頭を悩ませてしまうことでしょう。仕事の時間を調整して申告会場に行ったはいいものの、列を作って並んでいる物凄い数の人に圧倒されてしまうこともあれば、なかなか自分の番が回ってこなくてイライラしたりすることもあるものです。

いずれにしても書類の作成にも膨大な時間がかかると感じ、何とかこの時期を少しでも楽に越せないものかと考える方は少なくないと思います。

このような現実を前にして最近多くの方が広く利用するようになったのが、確定申告を税理士に代行してもらうというサービスです。では、専門家とも言える税理士に代行してもらうことには一体どんなメリットがあるのでしょうか。

確定申告を代行してもらうメリット

青色申告を行う場合であれ白色申告を行う場合であれ、確定申告の代行を依頼する最大のメリットは、正確に申告することができるという点です。毎年のように自分で会場に出かけて行って申告を行っている方なら恐らく容易に理解できる点ですが、税金に関連したルールは非常に複雑であることに加えて、毎年何らかの変更点があるものです。

個人事業主という立場で一生懸命働いている方が、毎年のように更新される最新のルールに精通しておくというのは実に至難の業であり、現実的に考えてまず無理なことだと言えるでしょう。こうした状況にありながらも何とか自分で申告を行って、仮に正確さに欠けた申告をしてしまうとすれば、追徴課税の対象になってしまい自分が損をする結果になってしまうことさえあるのです。

ところが、税理士はまさに税金に関する専門家であるため、正確さに欠けることがなく正確な申告を行うことができます。また、たくさんの複雑な手続きが関係する申告を専門家に任せることができたということで、事業主は安心して自分の仕事に集中することもできるのです。これこそ、代行を専門家に依頼する一番のメリットと言えるでしょう。

確定申告を専門家である税理士に代行してもらうことから得られるメリットは、これだけではありません。他にも、節税のための実際的なアドバイスを受けることが可能になったり、税務調査の時の立ち合いなども行ってくれたりします。

さらに、記帳に関する業務も依頼することができるため、今まで自分で行っていた面倒な記帳業務をかなりの程度減らすことができます。さらに、税金に関する豊富な知識を持った専門家が、正確な財務データに基づいて分析を行ったりアドバイスを与えてくれるため、こうしたサービスからも事業者は実に多くの益を得ることができるのです。

加えて、専門家によって帳簿が正確に作成されることになるため、結果として青色申告の要件がしっかりと満たされ、六十五万円という特別控除を受けることができるようになるでしょう。自分で行って思ったように行かない場合があることを考えると、確かに専門家に依頼することには大きなメリットがあると言うことができます。

確定申告を代行してもらうのに必要な費用

こうして考えてきましたように、実に多くのメリットがある確定申告の代行ですが、実際に利用するに当たってやはり一番気になるのは、税理士に依頼した場合、一体どの位の費用がかかるのだろうかという点だと思います。費用は大きなポイントになる点ですから、実際に依頼をする前に、大体の相場を把握しておくのはよいことででしょう。

しかし現実的に言って、専門家に依頼をした場合にかかる費用は、地域によっても事業の規模によっても変わってくるというのが答えとなります。そのため、一概にどの位の費用がかかるかを正確に言うことはできません。

そこで依頼をした場合にかかる費用について、大体の相場を知るのに是非とも参考にしたいのは、日本税理士連合会によって十年ごとに実施されている実態調査でしょう。例えば、第五回目として実施された実態調査の報告書によると、個人事業主の顧問料として提示されているのは、月額二万円前後が相場になっていると言われています。つまり一年間として計算すると、月額二万円の十二か月分で合計二十四万円程度になるというわけです。

もちろんこれは単に顧問料の費用ですから、確定申告の費用は別にかかることになります。この申告の費用は、基本的に言って顧問料の四か月分から六か月分程度であると言われているため、先ほど計算した顧問料二十四万円にこの申告のための費用を合わせると、合計で一年間に三十二万円から三十六万円程度の費用がかかることになるだろうと予測できるでしょう。

もちろんこのようにして打ちだされた金額は、あくまでも相場ですから、必ずしもこの金額通りになるわけではなく、多少の変動があることも見込んでおく必要があります。

例えば、仕事の取引量が増えて売り上げが増えれば、当然のことながら顧問料も増額されると考えることができますし、その逆に上手に交渉することにより減額される可能性もあると言われているからです。