ネイルサロンを開業したいのであれば、それに必要な知識を身につけることから始める必要があります。
ネイルサロンを開業するのに『必要なこと』とは?
まったく知識のない人の場合、まずは資格を取得しなければならないと考えがちです。しかし、事業を行うために取得を義務づけられている資格は特にありません。つまり、その気があれば誰でもネイリストになれるというわけです。
そう言われると、非常に簡単だと感じるかもしれませんが、資格が不要であることと事業として成り立つこととは別問題です。料金を受け取るのであれば、お客が満足できるサービスをしっかりと提供していく必要があります。それを可能にするには、施術のスキルを向上させて接客の方法についても学んでおくことが大切です。
また資格は必須でないだけで存在しているので、自分に自信を付けるためにも取得を検討したほうが良いでしょう。取得のために勉強することによって、ネイリストにとって大切なことをいろいろと学べます。
施術の途中でお客を負傷させてしまうケースについても考慮しておく必要があります。なぜなら、公的な相談センターにそのような報告がいくつもなされているからです。資格が必須でないため、十分なスキルや知識を持たないまま作業をするネイリストも多いので、そのような結果に結びついているのでしょう。このまま報告が増え続けるようなことがあれば、事業を行うために必要な安全面の条件など、何らかの決まりを国が打ち出すかもしれません。少なくとも自分はそのような負傷者を出さないように、安全に施術を行う方法を習得しておくのが望ましいです。
正常に施術が完了したように見えても、後から爪の状態が悪くなってしまうケースもあります。そうして病院に通うような事態になれば、治療に必要な費用をこちらが負担する場合もあるのです。想定外の出費となるため、治療が長引いた場合には資金繰りに影響を及ぼす場合もあるでしょう。特に事業を始めたばかり経営が安定していない状態では大きな痛手になりかねません。そのようなリスクを減らしたいなら損害賠償保険に入っておくのも一つの手です。ネイルサロンを対象にした保険商品もあるので、加入しておくと心強く感じることでしょう。
開業するには公的な事務手続きを行わなければなりません。ただし基本的には、エステなどのサロンと違って保健所での手続きは行わなくても大丈夫です。必須となっているのは、税務署に開業届を提出することです。これを行わない限り、事業としてネイルサロンを運営できないので気を付けてください。書類は国税庁のホームページからダウンロードできますし、税務署にいって入手することも可能です。趣味に毛が生えた程度の稼ぎしかないからといって、この手続きを行わなくても良いと考える人も見受けられます。しかし、サービスを提供して収入を得ている時点で納税の義務からは逃れられません。こっそり営業していたことが発覚すると、通常の税額を収めるだけでなくペナルティを与えられる場合もあります。そのため、特別控除などのメリットのある青色申告の申請も含め、最初に手続きを済ませておくのが得策です。
続けて、開業に必要な資金についてチェックしましょう。そこで重要になるのは、どれくらいの経費がかかるのか見積もっておくことです。自分の預貯金を把握するのはもちろんですが、この段階で具体的な出費を割り出しておくと、事業の計画をきちんと立てやすくなります。この作業で間違えがちなのは、事業のスタートに必要な金額だけをカウントしてしまうことです。オープンと同時に運用のための出費も発生することを忘れないようにしてください。前者のなかでもっとも大きいのは、店舗を用意するために必要な資金です。自宅を作業場にするのであればコストカットできますが、それでもある程度は内装を整えるために出費することになるでしょう。お客に座ってもらう椅子や施術に使用するテーブルなども購入しなければなりません。予約を受け付けるためにホームページを開設してメールアドレスを取得したり、電話がないなら新たに契約したりする必要もあります。もちろん施術で使用する材料や道具に関しても、予備も含めてしっかりと揃えておくことが大切です。
経費を見積もった結果、預貯金だけでは足りないと分かるケースもあるでしょう。その場合はしばらく延期をしてパートなどで資金を蓄えるという手もありますが、金融機関に相談をして融資を受けるという方法もあります。助成金の活用も視野に入れると良いですが、やはり大部分は自己資金でまかなえるようにするのが理想です。また、節約をして出費を抑えることも有効とはいえ、やりすぎるとお客にとって魅力の少ないネイルサロンに見えてしまいます。たとえば自宅の場合、生活感を隠しきれずに落ち着きにくい環境になってしまうかもしれません。最適なネイルサロンをイメージして、コストパフォーマンスを意識しながらそれに近づける工夫をしましょう。