エステサロンの経営を始めるには、税務署に開業を届け出るなどの事務手続きが必要となります。不備があるとオープンできなくなる事態も考えられるため、多くの人は事務手続きにばかり目を奪われがちです。しかし、事業として成功させたいと考えているなら、オープン後のことも十分に考慮しなければなりません。
エステサロンを開業するのに『必要なこと』とは?
そのなかでも特に重要なのは、できるだけ多くの人に来店してもらえるようにすることです。オープン前だからこそ可能な準備もあるので、何が必要か理解したうえで着実に取り組んでいく必要があります。
そう聞かされると、素敵な店舗を用意することに注力すれば良いと思う場合もあるでしょう。もちろん店舗が魅力的であることも集客力に大きな影響を与えます。ただし、どれだけ素敵であっても、まずは存在を知ってもらわないと意味がありません。
つまり、宣伝にしっかり行うことが何よりも大切というわけです。来店する人が少なくてスタートダッシュで躓いてしまうと、経費だけが増えていく状況になってしまい、早々にして店舗をたたむことになる恐れがあります。そのような事態に陥らないように、いろいろな方法で宣伝活動を行っておきましょう。
たとえば、近隣を中心にチラシを配布するのは定番の方法です。遠方の人にも通ってもらえるのが理想ですが、やはりターゲットとなるのは気軽に来られる距離に住んでいる人たちだからです。それと同じぐらい選択されている方法として、エステサロンのホームページの開設が挙げられます。インターネットであれば住んでいる地域に関係なく見てもらえますし、閲覧だけでなく予約をするシステムを構築することも可能です。その他にも、ポスターを貼らせてもらう手段などもあるので、一つにこだわらずに手広く行っていくと良いでしょう。
いずれの方法を選択するとしても、存在を知らしめるだけでは不十分です。店舗があると知っただけで足を運ぼうと考えているくれる人はほとんどいません。他店との差別化を図って、自分にとってメリットが大きいと感じさせる必要があります。オープン記念として割引のクーポンを利用できるようにしたり、仕事帰りに寄れるように遅くまで営業したりするなど、周辺の競合店が行っていない工夫を検討してみてください。
ただし、いきなり大きな収益をあげようと考えてはいけません。最初のうちは利益よりも来店してもらえることを優先することが大切です。そのうえでリピーターを増やしていくことが、エステサロンを繁盛させるためのセオリーといえます。丁寧に施術を実施するのはもちろんですが、何らかの付加価値を提供するようにしましょう。話術を磨いて心地よいカウンセリングを行えるようにしたり、ヒーリング音楽やアロマを駆使してリラックス空間を作りだしたりする方法があります。もちろん、お得感に直結する特典を用意しておくことも忘れてはいけません。具体的には、5回の来店ごとに10%引きになる会員カードや数カ月ごとにプレゼントする粗品などが挙げられます。
上記の事柄にも関係しますが、店舗のコンセプトを明確にすることも欠かせません。どのような方針で運営していくのか事前に決めておくことがポイントになります。それが曖昧なままだと店舗の特色が出せずに、顧客も漠然としたイメージしか持てないのであまり記憶に残りません。どうやってインパクトを与えるのか考えつつ、地域の傾向なども視野に入れながらコンセプトを定めていきましょう。コンセプトが明確になったら、それをベースにして今度は事業計画を検討するステップに移ります。事業計画書があれば店舗運営の指針として利用できますし、助成金や融資を利用するための資料としても活用が可能です。スムーズに作れないかもしれませんが、開業前に確実性の高いものを用意しておくと精神的にも安定しやすくなるので、多少時間がかかっても取り組んでおく価値があります。
コンセプトや事業計画に合った店舗を準備することも重要なポイントです。それだけでなく立地についても十分に吟味するようにしてください。いくら建物として魅力的でも、通いにくい場所にあると必然的に売上は下がってしまいます。よほど評判が良くなければ、手間と時間をかけてまで利用してもらえる状況にはなりません。また、自分の住まいの一室をエステサロンにするという手段もあります。ただし、マンションなどの場合は営業目的で店舗として利用するのは禁止されている場合もあるので要注意です。事前に規約について確認しておかないと、後で大きなトラブルに発展する恐れがあります。店舗の規模が大きい場合や自分は経営に専念したい場合などは、スタッフを雇うための準備もしなければなりません。人数や賃金、勤務時間などを明らかにして、採用活動もオープンの取り組みの中に組み入れることになります。いずれにせよ、オープンに間に合うようにスピード感を持って進めていくことが大切です。