いつの時代でも脱サラや自分の店を出して天下をとりたいと願う層は一定程度います。最近では働き方改革のもと副業が可能になったりする大手企業が増えてきましたので、本業をしながら自分の店を持つといった方も増える事が想定されます。

お金だけ出すタイプのものと自ら店頭に出るタイプのものがありますが、手に職をつけてという事であれば後者が中心になってきます。近年町を見渡せば多いのが理容室や歯科ですね。一見乱立しているようにも見えますが、それだけ需要が多いともいえます。そんな開業に向けてしっておきたい事を説明します。

まず何はともあれ必要なのは開業資金のイニシャルコストと開業後の運営資金であるランニングコストです。イニシャルコストの中でも大きな割合を占めるのがお店を出す場所を借りる費用です。自ら保有している土地であればいいですが、ほとんどの場合は借りる事になります。商業施設に出すか、路面に出すかによって費用も変わってきますが、個人経営であれば後者がほとんどです。人通りの多い場所や利便性によって大きく価格が変わってきます。
選び方の基本は低価格店で回転率を重視するのであれば利便性の高い場所を、顧客重視でリピーターをとっていこうという事であればなるべく安い場所を探すのが基本です。これはお客さんの心理を紐解けば当然とも言えますが、どこでもいいからとにかく安く済ませたい人は家や会社から近くて行きやすい場所を選ぶ傾向にあります。それに対してファッションやビジュアルを重視する人は、口コミサイトやインターネット予約サイトを通じて評判の良い所を探すでしょう。少し通いづらい場所でも腕がいい美容師さんがいるところなどは予約でいっぱいになっていたりします。

自己資金が乏しければ借り入れをする手もあります。今は低金利時代で銀行は貸し出しをしやすい環境にある事は確かです。また政策金融公庫であれば新たに店を出したいと思っている方に積極的に貸し出してくれますし、信用状況にもよりますが、びっくりするくらいの低金利で貸してくれたりもします。また手元に資金があったとしても余裕を持って店舗運営をするために借りておくのも手ですし、余ったら早期に返却してしまう事もできますので政策金融公庫の存在を頭の中に入れておくのがいいでしょう。

店舗に見当をつけて開業が近づいてきたら忘れてはいけないのが税金の問題と人を雇うのであれば従業員給与、社会保険などの問題です。税理士や社労士の資格を持っていれば全て自分でやっていいですが、ほとんどの場合無知である事でしょう。そうすると確定申告などで躓き、余計な時間をとられてしまう事間違いありませんから、税理士や社労士と契約する事をおすすめします。費用は税理士、社労士ともに月あたり2万円くらいからありますので相談してみる事をおすすめします。

開業準備の最後の締めは集客戦略です。これは長期にわたって考える必要がありますのでとても重要です。お店のコンセプトでありお客さんがある意味一番重視するものです。価格だけに絞ってみれば分かりやすいですが、とにかく安いところを探している客に高級店を出しても来てもらう事はほぼないと言っていいでしょう。お客さんがもとめるコンセプトに店が合わせていくのか、お店のコンセプトを決めて、そこにお客さんを呼び込むのかといった駆け引きも重要です。次に集客手段として活用できるものを何でも活用する姿勢が大切です。一番多いのがホットペッパービューティーなどのインターネット媒体を使ったものです。これについて一つ注意点があり、無料で掲載できるプランもありますが、掲示される順位が最下位となり、集客効果が薄いのが実情です。地域、場所によっては安いプランでも目立たない場所になってしまう可能性もあります。人によって予算がある事は承知しておりますが、予算内で一番高く出したほうが結局はお客さんを呼び込める結果になりますのでその点は含んでおきましょう。
その他にもチラシ配りやポスティング、SNSなどもある事はありますがほとんど効果が薄いのが実情です。

一番最後になりますが、最も大切にしたい事を紹介します。それはリピーターになってもらうための施策です。一見客はもちろん大切ですが、1回しか来てくれないという事はお店に何らかの問題があるものです。値段やサービス、応対する方の態度ですが、お客さんに向き合ってまた来たいと思ってもらえるようにする事が最も重要です。次回割引券やお菓子を配ったりするのもいいですが、理容室であるのならば、美容師さんの技術や人間性、コミュニケーション能力
を総合的にあげることによってリピーターになってくれるものです。お店をリピートするというよりは美容師さんをリピートするといったイメージです。

理容室は町を見渡せば結構多く見つける事ができますので、それに負けないようなコンセプトとリピートしてもらえるための施策を打つ事が長期的に成功するための鍵であると言えます。