個人事業主にも、従業員を雇用するケースはあります。
ただ雇うというだけでなく、安心して働いてもらえるよう、しっかりとチェックしておきましょう。
労働条件を通知しよう
従業員を雇うという場合には労働条件の通知をすることが大切です。
労働条件は、雇われる側にとってもとても重要なものでもあるため、きちんとした通知が必要だといえます。特に注意したいのは、書面で通知するということです。
一般的には、労働条件通知書という形で書類作成を行い、雇用する方に対して渡すことになります。その他にも、働くなら守る必要のあるルールなども雇用契約書として書類を取り交わすケースもあるため、その点なども押さえておくといいでしょう。
一日に八時間以上働くこともある場合には、時間外労働・休日労働に関する協定書などの重要な書類があり、これは、労働基準監督署に提出した場合に効力を発生するため、作成して安心ではなくきちんと労働基準監督署に提出することが大切です。
労働保険に加入しよう
労働保険の加入も大切だといえます。従業員のためのものであり、雇う側が加入義務のあるものです。労災保険と雇用保険の二つを合わせているものであり公的な保険です。
労災保険
労災保険は、通勤、仕事などで従業員が怪我をした場合に、診療費や休みをとった際の給料の保証を受けることができるため、雇う側は加入しなければならない保険ともいえます。
注意して働いていてもトラブルなどが起こることはあり、怪我などをする可能性がでてくるためです。
雇用保険
雇用保険は、退職をした従業員が失業保険などを受けるために必要な保険といえます。要件を満たす必要がありますが、それを満たしている場合には、加入する必要がでてきます。
そのため、人を雇うということになれば、労災保険、そして要件を満たす人を雇うという場合には、雇用保険に加入する義務が生じるということを覚えておきましょう。ただし、学生(夜間や通信、定時制以外)などの場合には、雇用保険の適用除外となります。
法定三帳簿をそろえよう
雇用後は、法定三帳簿などの書類を作成し保管する義務が生じます。
具体的な内容としては、労働者名簿や出勤簿、賃金台帳などです。これは、雇う側が作成しなければならないという点は重要なため覚えておきましょう。
労働者名簿
労働者名簿は、基本的な情報を記録する必要があり、住所や氏名、生年月日や性別、雇った日などを記録しておくことが大切です。雇った人に、渡す源泉徴収票にも記載が必要な情報でもあります。
出勤簿
出勤簿は、給与を計算する際にも必要となる情報でもありますが、書類としては、出勤した日、出退勤や休憩時間を記録した書類となります。
賃金台帳
賃金台帳は、毎月の給与額面とそれに関する内訳、天引きした所得税などの金額や手取り額を記録してある書類です。
法定三帳簿は、雇われた側とトラブルが生じた際に、参考書類となるためきちんと記録をすること、保管をしておくことが大切だといえます。
従業員が安心できるように
個人事業主となり、人を雇うことが必要といった場合には、このようにいろいろと書類などの作成や労働条件の通知、保険への加入などいろいろとやるべきことも多いです。
ルールを守るという意味でもしっかりと行うことが重要です。
ルールを守らずにいると大きなトラブルとなるケースも少なくありません。雇われる側も信頼できる相手の元で働きたいと思うことからも、守るべきルールはしっかりと守るようにしましょう。
一人で対応できないという場合には、個人事業とはいえ人を雇い入れるという選択もあります。
きちんと信頼できる相手を雇えるように、面接などをしてみるなど相手の人となりをよく見て判断してみることも重要です。
それ以上に、個人事業主側も、相手の信頼を得るという意味で、雇う際のルールなどはきちんと守るようにして、良好な関係を築いていくことが大切だといえます。
仕事上では、信頼関係というのはとても重要なため、雇う側としていろいろな義務が発生することになりますが、必要なことの把握やルールを守ることを心がけましょう。